「あたたかな家庭」、それでいい

3年前、息子が生まれた日のことを、今でも鮮明に覚えています。

「おめでとうございます」

医師からの知らせを受けた瞬間、喜びが込み上げる一方で、胸がぎゅっと締め付けられました。

本来なら、家族と共に喜びを分かち合うべきその瞬間に、私はそばにいなかったのです。

それからの私は、家族との時間を最優先することを自分の中で誓いました。

「あたたかな家庭」、それでいい01

「また今度」ではなく「今」を生きる

未来を変えたいなら、今の家族との時間を変えるしかありません。

「また、今度遊びに行こうな」

そう口にしても、「今度」が来ることはないかもしれません。

一緒に食卓を囲む時間、一緒に笑い合う時間、そのすべてが、かけがえのない未来をつくっています。

だからこそ私は、「今」を大切にする生き方を選びます。

「あたたかな家庭」、それでいい02

日々の言葉が、絆をつくる

家族の絆は、大きな出来事だけで生まれるわけではありません。

「おはよう」
「今日もお疲れ様」

たったこれだけの言葉でも、心に深く残ることがあります。

かつての私は、「家族との会話が足りない」と感じながらも、つい仕事を優先していました。

けれど、家族の何気ない一言が心に染みたとき、気づかされたのです。

家族の信頼は、大きな行動ではなく、日々の小さな言葉の積み重ねで築かれてい

「あたたかな家庭」、それでいい03

大切な息子へ

もしも、息子に一つだけ伝えられるなら、私は「本当に大切なものを見失わないでほしい」と伝えたいです。

学歴、職歴、役職——。

これらはもちろん大切ですが、それ以上に心の豊かさや「誰と共に生きるか」のほうがずっと重要です。

「ここに帰りたい」と思える場所を見つけられるような人生を歩んでほしい。

目の前の人を大切にすること、感謝の言葉をきちんと伝えること、自分の“本音”を見失わないこと。

それを、私は自分自身の生き方で示していきたいと思います。

仕事よりも家族との時間を04

辿り着きたい、私のあり方

人生の終わりが見えたとき、最後に帰りたくなる場所はどこだろう。

家族の顔が浮かぶ人もいれば、仕事の成果を思い出す人もいるでしょう。

かつての私は、「仕事こそが人生のすべて」だと信じていました。けれど息子の誕生をきっかけに、私の心には大きな変化が訪れました。

私が最後に帰りたい場所、それは「あたたかい家庭」でした。

仕事での成功も大切だけれど、家族の幸せを守ることこそが、悔いのない人生につながると今は確信しています。

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